歓喜院聖天堂(埼玉県熊谷市・国宝・重要文化財)
歓喜院聖天堂は、享保20年(1735)から宝暦10年(1760)に掛けて、林兵庫正清及び正信ら
によって建立されました。
これまで知られていた彫刻技術の高さに加え、修理の過程で明らかになった漆の使い分けなど
の高度な技術が駆使された近世装飾建築の頂点をなす建物であること、またそのような建物の
建設が民衆の力によって成し遂げられた点が、文化史上高い価値を有すると評価されました。
日光東照宮の創建から百年あまり後、装飾建築の成熟期となった時代に、棟梁の統率の下
東照宮の修復にも参加した職人たちによって、優れた技術が惜しみなくつぎ込まれた聖天堂は
「江戸時代建築の分水嶺」とも評価され、江戸後期装飾建築の代表例です。