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2011年11月9日二世帯住宅 その2

【二世帯住宅 モデルケース  多摩区 HM邸】

 

 二世帯住宅は今までは玄関・キッチン・浴室などすべて分離のパターン

 

 のおすすめを各メーカー行ってきましたが、現在、社会事情により

 

 年金の不確実さ、介護の不確実さ、家族をお持ちにならない方の増加

 

 ご結婚されない方、少子高齢化などと共にこれからは住宅はスクラップ

 

 アンド ビルド ではなくなり、時間軸の中でのシェアハウスという

 

 考えの複合家族が増加していくと思われます。

 

 本来、在来工法の住宅が得意としている分野ですので宝建設も取り組んで

 

 いきたいと思っています。

 

 当社でも二世帯住宅が売り上げの半分を占めている為、経験からモデル

 

 ケースを例にご説明したいと思います。

 

 もともと、今までは二世帯住宅の設計を頼まれても分離にこだわった方

 

 が多かったのですが、設計の工夫でなるべく共用スペースの充実を勧めて

 

 います。

 

 玄関分離は将来、賃貸住宅に変換できるという利点がとりざたされていま

 

 した。駅の近くのワンルームマンションでさえ、地方からの大学生が少な

 

 くなり、空室が目立つ場合シェアハウス賃貸にするなり再考の必要があり

 

 ます。

 

 

 平面図

 

 【設計上工夫・留意した点】

 

 

 前文のようにすべて完全分離ですと、各部分が狭くなりせっかくの新築な

 

 のに賃貸の方が良かったなんてならないように玄関は共用としました。

 

 建てられる坪数によりますが、通常の一戸建てくらいの大きさに玄関ドア

 

 が2か所、道路ぎわギリギリにあるとアパートのようで世知がなく見えます。

 

 よって共用スペースとして玄関・土間のある前庭・前庭に面した共用和室

 

 スケルトン鉄骨階段に光がふりそそぐ内部の通り庭(吹抜)を共用スペース

 

 として留意しました。

 

 二世帯住宅の場合、通常、子世帯の方が人数が多い為、2階が大きくなって

 

 しまいます。すると、親世帯は光の入らない空間となってしまうのが常です。

 

 その解決方法として2階トップライト(ベルックス製品)を6つ大きく取り

 

 つけ、吹抜階段を通して1階まで光が届くよう設計しました。

 

 この光が居室にも入るように廊下の壁には欄間窓を多く取り付けました。

 

 いわゆるここは内部の庭として(インナーコート)設計しています。

 

 また、入居後、突然、親世帯の親(祖母)の介護がはじまった際に前庭に面

 

 した共用和室を代用でき助かったとの事。

 

 1・2階とも旦那様の書斎スペースを設け、将来の時間軸の変化も耐えられる

 

 間取りになっています。

 

 2階の子世帯のお子様はまだ幼かったのでリビングと個室は仕切らずに可動扉に

 

 より自由にリビングと行き来できるようにしています。また、収納力を上げる為

 

 将来の子供室上部とキッチン上部にロフトを作りました。2階から1階へ光が入る

 

 ように2階テラスはあえて防水はないスノコ状のデッキにし、光が1階にも届く

 

 ようになっています。

 

 当初の設計は親世帯+子世帯(長女)+子世帯(次女)のプランニングから始まり

 

 地下室付きの3階建て5層の家も計画しました。

 

 最終的には時間軸により、将来は親世帯+子世帯+孫世帯にも対応できるような

 

 プランニングとなっています。

 

 畳

 

階段

 

2階