私が日本大学で建築を学んでいた頃、アルバイトで模型造りをしていた
巨匠建築家 坂 茂(ばん しげる)のご紹介です。
現在はフランスのポンピドゥーセンターや海外・日本問わず、活躍してまして
慶応大学教授・ハーバード大学教授もされています。
坂さんはニューヨークのクーパーユニオンのジョンヘイダック氏に建築を学ん
でいたので『三枚の壁』で明快な構成の住宅を発表していた頃でした。
⇑ ヴィラK(1987年 長野県)
背後の山の力を分散させるような円弧状の壁によって空間を限定し、
そこにサーキュレーションが配された直線の壁を挿入している。
シリンダー状の3枚目の壁にはキッチンやバスルームが納められ、
これがプラン上のすべての操作の中心になっている。
⇑ ジョンヘイダックのスケッチ
その後、紙管による建築を発表し、厳しいルールの中 パビリオン等
仮設建物を多く発表しています。
その頃の紙管での模型づくりが大変良い思い出です。
その後、阪神大震災の時に仮設でしか使えない紙管で教会等を造り
世界中の難民に建築家として立ち向かっています。
⇑ 紙の教会(1995-2005年 神戸)
⇑ 阪神大震災により焼失した教会の為に建てられた紙の建築による
コミュニティーホール。建材は各企業からの寄付を受け、160
人以上のボランティアの手により5週間で完成した。建設10年
を迎えた紙の教会は神戸と同じように震災の被害を受けた台湾へ
移築され、地域のコミュニティセンターとして新たに活用されて
います。
そして現在はル・コルビュジェが提唱したドミノ建築を発展させた物
をコンテナ化して東日本大震災の宮城県女川町で仮設住宅として進め
ている素晴らしい建築家です。
⇑ コンテナ仮設住宅建設現場 女川町 11月12日