【理想の二世帯住宅 はじめに】
① 昔は大家族で長男が家を継いでゆくものだったが現在は家族制度が
崩壊し、大家族を収容した畳敷きの部屋が連なる家には親だけが残
されるケースが少なくない。
そんな中、複合家族という形態が表れた。
② 現在でも土地の値段は住宅そのものよりはるかに高い状況である。
それならば土地の高度利用を逆手にとって親世帯・子世帯または
三世帯の家が誕生したと思われる。
よく「スープの冷めない距離」「ダブルキッチン」などという言葉
が生まれた頃から必然的に増加した。
しかし、核家族化の中、「ふるさとは遠きにありて想うもの」という
言葉もあり、ある意味では二世帯住宅は冷たく突き放した理解が必要
になってくる場合もあります。
③ 二世帯住宅は建築法規上は集合住宅または長屋であります。
よって集まって住むプランの手法として大別すると縦割り型と横割り型
に区別できます。
前者はテラスハウスタイプで、後者はフラットタイプです。
④ 二世帯住宅は集合住宅ですが他人どうしが一棟の中で住み分けるものと違い
共用スペースを持つ例がほとんどです。
この時に共用スペースは何にするかが、それぞれの家族の事情で異なって
くるがどんなに完全分離型にしたとしても庭の共用スペースが一番多い例
と思われます。
例えどんなに敷地が大きく平屋建てでも完全分離としても平屋で庭を囲む
コートハウスが建築家の手法としては多いです。
次に多いのが玄関です。
⑤ 変化に対処する
宝建設での試み
a. 二世帯住宅 + 店舗
b. 三世代住宅(祖父母同居)30代 + 60代 + 80代
c. 二世帯住宅
d. 二世帯住宅 + アトリエ
e. オーナー住宅 + 賃貸集合住宅
基本的に二世帯住宅が家族構成の安定度は低いです。
子家族の子供が増えたり、大学に行く頃には親家族の減少もありうるし三世代住
宅ならなおさらです。
よって時間軸で考えるなら、一番共用できるのは寝室及び個室という事になりま
す。変化の多様化で耐える住宅造りを真っ先に考えると大家族の崩壊は当初、
申しましたが実は、梁と柱に囲まれた住宅である日本の民家の美と伝統が戻
ってくる傾向です。
まして、日本はこれから少子高齢化です。人口減少になり住宅も余り、賃貸
も余ってくる時、土地も安くなり、またいつかは戻るかもしれません。
もちろん現在もうひとつの傾向として、ひとりで住む人間が多くなりシェアハウス
という形態もありますから単純には推測できません。
新しい哲学の住居は建築家が今、一番悩んでいますが中国・韓国などではもう日
本の建築家が提案して好評なようです。
話がそれましたが変化に対応する事では工務店が得意とする在来工法の住宅は
一番、利にかなっています。
増改築を考えるとハウスメーカーの工場の家よりも、ツーバイフォーの家よりも、
何よりも可変できるからです。
今回の震災の影響もありますが現在、大断面の在来工法の家が見直されていま
す。